平成31年度 関東支部講演会 開催報告

 平成31年4月12日,東京工業大学 大岡山キャンパス南8号館にて第7回関東支部講演会が開催されました.
 近年,関東支部では活性化活動の一環として講演会活動を行っています.各回のテーマは,企業,大学及び国研所属の会員で構成される委員会にて産業界のホットな話題や聞きたい講演などをピックアップし,特に企業会員の関心の高い内容を選定しております.過去6回は,「全固体電池」,「光触媒」,「青色LED/鉄系超伝導」,「エネルギーハーベスティング」「新材料プロセス技術―その最前線―」,「全固体電池」をテーマに,それぞれの分野でご活躍されている著名な先生方をお招きしてご講演いただき,好評を博してきました.本年度は,新材料を効率的に探索する取り組みとして,世界的な動きが広まっている「マテリアルズ・インフォマティクスを用いた新材料開発」をテーマとし,お二方にご講演いただきました.
 はじめに名古屋工業大学の中山将伸先生により「蓄電池材料のデータ駆動型探索と解析」と題したご講演を,つぎに,名古屋大学未来材料・システム研究所の宇治原徹先生に「結晶成長における機械学習の活用(SiC溶液成長を例にして)」と題したご講演を頂戴しました.
 中山先生は,リチウムイオン電池材料の開発を手がけられておられます.現在,Li-Oを含む酸化物材料の報告はおおよそ7000件,Na-O系では9000件を超えるほどであり,これらのデータを基とした計算により材料開発をすることで実験を実施すること無く材料開発が可能となると考えられます.しかし,膨大な情報を網羅した計算による材料開発では高い精度と速い計算速度が前提となります.精度はデーター数が多い場合には良くなると考えられがちでありますが,大量なデータを使用する場合には途中で飽和してしまいます.中山先生には,全データおよび結晶構造データベースから抜粋した情報による高精度材料シミュレーションにより材料データベースを作成し,更にベイズ最適化と転移学習を組み合わせることで160程度のサンプルでも十分に良い結果を導くことが可能となり,膨大なデータを用いずとも新しい材料開発が可能となることをお話しいただきました.
 宇治原先生からは機械学習を応用したエミュレーター技術についてSiCの結晶成長を題材にご講演をいただきました.宇治原先生が開発されたエミュレーターとはSiC単結晶成長装置の炉の詳細な測定データを基にプロジェクションマッピング技術を応用することで実験中に見ることのできない電気炉内の状況を観察しながら結晶成長を実施するという模倣(エミュレーション)技術の応用でありました.実験中の炉内の状況を測定し,AIを用いたパラメーター予測システムを用いることで瞬時に映像化し,リアルタイムで実験状況をよく再現することで把握できます.この様にシミュレーションでは無く,リアルタイムでのエミュレーターを活用することで従来の多くを勘に頼った,長い時間と経験の蓄積によって構築された材料作製条件が短時間で確立できる可能性をお示しいただけました.
 本講演会には大勢の方々にご参加いただき,活発な議論がなされ盛会のうちに終了しました.これもひとえに,講師の方々をはじめといたしまして,事前準備や会場準備をしてくださった会員の皆様,そして当日ご参加くださった皆様のご協力の賜物と存じます.この場を借りて心より御礼申し上げます.

講演会委員長 東京理科大学 西尾圭史

平成31年度 関東支部講演会【写真】

 
中山将伸先生
宇治原徹先生
講演会場の様子


平成31年度 支部大会・支部講演会【参加募集】

平成31年度日本セラミックス協会 関東支部 支部大会 支部講演会を 下記の要領で開催します. 支部講演会は,主として関東支部所属の個人会員,学生会員と企業,研究所,大学の絆を強める目的で開催します. 日本セラミックス協会に所属する個人会員,学生会員,教育会員,シニア会員,あるいは特別会員の構成員の方も自由に参加して頂けます.また,講師の方を囲んでの懇親会も準備しています. 是非ご参加下さい.参加希望の方は,下記のメールから申し込みをお願いします.
なお,参加者は,1名毎にお申し込みください.

主催:日本セラミックス協会関東支部
日時:平成31年4月12日(金)15時から17時30分、17時40分から19時30分(懇親会)

場所:東京工業大学 大岡山キャンパス、南8号館623教室(支部大会、講演会)南7号館2階202教室(懇親会)
(東京都目黒区大岡山2-12-1)
東急 大井町線,目黒線 大岡山駅下車すぐ
地図 URL https://www.titech.ac.jp/maps/

(1)支部大会 15時から15時30分
場所:南8号館623教室
関東支部の平成30年度活動報告と平成31年度の役員体制と活動計画を報告いたします.

(2)支部講演会 15時40分から17時30分
場所:南8号館623教室
参加費:無料
新材料を効率的に探索する取り組みとして、世界的な動きが広まっているマテリアルインフォマティックスに関するホットな話題、聞きたい講演を目指して講演会を企画しました.日本セラミックス協会会員(特別会員の社員の方を含む)の方はどなたでも参加して頂けます.
講演後,懇親会を予定しています.多くの方のご参加をお待ちしております.

講演会テーマ:マテリアルズ・インフォマティクスを用いた新材料開発

@名古屋工業大学 材料科学フロンティア研究院
  生命・応用化学専攻 環境セラミックス分野 教授
  中山 将伸 先生
  演題:蓄電池材料のデータ駆動型探索と解析

A名古屋大学 未来材料・システム研究所
  未来エレクトロニクス集積研究センター 教授
  宇治原 徹 先生
  演題:「結晶成長における機械学習の活用(SiC溶液成長を例にして)」

(3)懇親会 17時40分から19時30分
場 所:南7号館202教室
参加費: 1,000円(当日支払い)

参加申込:原則として下記のメールからお願いします.当日参加も可能ですが,懇親会は予約をお願いします.
お申し込みは,@氏名,A所属,B連絡先(e-mail,電話番号),C講演会参加の有無,D懇親会参加の有無をメール(info-kanto@cersj.org)で1名毎に連絡してください.

申込〆切:平成31年4月4日(木) 12:00まで

連絡・問合せ先:関東支部事務局:森 曉
(株)マテリアルビジネスサポート TEL 048-647-3180、FAX 048-647-3185
E-mail:info-kanto@cersj.org